フォーカス 円安支える米経済安定に落とし穴も  気になる、給与減税廃止に伴う個人消費への悪影響

連載


外国為替市場では24日にかけて円の買い戻しでドル円、クロス円が調整局面に入ったが、その後再び切り返した。特にドル円、ユーロ円は直近の高値を更新。当面は材料出尽くしから調整局面が続くと予想されていたが、政府要人の発言を材料に買い直された。政府要人の発言はこのところ「円安誘導発言」と評価され、本人は意識してか無意識か定かではないが、マーケットが円売り材料と決め、円売りのきっかけにしているのは間違いない。海外からも次第に批判の声が増えている。特に多いのはドイツ。米国が明確なシグナルを送っていないのは気になる。米国が懸念しただけでムードが変わることもあり、注意が必要だ。今の円売りには過熱感があり、円安を追って円を売るとリスクがあることも念頭に置きたい。

しかし、ここにきての円安は、「円安誘導発言」主導のみではない。足元の欧米景気指標が比較的安定していることも、円売りを支えているのは間違いない。欧米にリスクが浮上すれば、流れが変わる可能性がある。これからはアベノミクスの期待から現実への可能性を探る展開より、特に米景気が底堅さを保てるかがカギになるのではないか。

この3年間、米景気はほとんど同じパターンを描いてきた。前年秋から年明けまで景気楽観ムード、4月以降は夏場にかけて景気悲観ムードに転換、実際に、このそれぞれの局面の米指標は強さと、弱さを繰り返してきた。このパターンが続く限り、米景気が本格的に回復したとはいえない。

実際に気になる材料はある。米製造業のデータは足元では落ち着いているように見えるが、例えば、新規受注が増えているのは一部の企業で広がりが見えない。米「財政の崖」問題で取りあえず回避されたことで、過小評価された感のある給与減税廃止の個人消費への影響。関係データをよくチェックしていく必要がある。

米非農業部門雇用者数の推移、米ISM製造業景況指数

今週は米の重要指標が集中する。2大指標の雇用統計とISM製造業景況感指数は同じの日の12月1日。このほか製造業や消費関連の多くの発表がある。多過ぎると相殺しあって相場は動かないとの声もあるが

戻る