WeeklyH25Aug26

為替相場観 連載


為替について
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ドル円は、再び強きの動きをし始めました。
過去2日間ほどに出ている経済指標が、それほど強いわけでもないのに、米国の景気回復は実感されているようで、時期に多少のずれがあるにしても、金融緩和の縮小開始がいずれ来るということから、金利相場に移りつつあると考えて良いのかもしれません。

欧州も米国と同じように、夏期休暇の時期だったと思うのですが、静かな中にあっては、ユーロドルが、比較的に強めに推移したような印象があります。
一方、気になるのは、ドイツのショイブレ財務相が、口を滑らせて、ギリシャに再び懸念を表明したことです。
本意ではないにせよ、不安の種として認識されているのだな、ということは、市場参加者の頭の中に残るでしょうから。

ドル円は強含みかつ、今後の上昇の可能性も高いでしょう。
一方のユーロドルも、心配のネタがありながら、足下はしっかりしているので、当面、ユーロ円も堅調地合を続けるものと思われます。
ただ、1ヵ月から数ヶ月先ということになると、要素は単純なものばかりでは無いようにも感じています。

平和ボケ
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最近人に勧められて読んだ
『インテリジェンスのない国家は亡びる』という本は、
かなり面白い。

1986年、フィリピンで三井物産の若王子さんという人が、武装した左翼ゲリラに誘拐された。
身代金の要求を、三井物産が拒否したことから、事件は長期化した。

ゲリラ側との交渉に当たったのは、イギリスの民間会社。
民間会社と言っても、特殊警察の出身者などのプロ。

表向きは、身代金は一切払わないというが、それは、国際社会の常識なのだそうだ。
「お金はいくらでも、、、」というと、
同じ事件をいくらでも起こさせてしまうから。

ところが裏では、「三井物産はいくらまでなら出せるのか?」
というところから話が始まる。
この件については、1億5000万円だったらしい。
そして交渉開始。

ゲリラ側の要求は、15億円くらいからスタートする。
こちらは、あえて1000万円くらいからスタートさせる。
交渉が長引くと、知らない人は絶望的となる。
この件でも、中指のない写真が送られ、100日も経つと、「もう絶望的だ」などという声が蔓延する。

ところが、ネゴシエーター達は、
「これで勝てるぞ」
「どういうこと?」
「見てみろ、送ってくる写真が違う。ひげを剃っている」

さらに、「相手は複数の犯人だから、長期化すれば、かならず分裂する」
この件でも、「早く金に換えて逃げよう」
という弱気グループと、「もっとつり上げなければだめだ」という
強気グループに分かれたのだそうだ。

して見事に、それからしばらくして、要求金額が半額以下に下がってきた。
その時、こちらは、1000万円を2000万円くらいにまで上げてやるのだ。
すると、向こうは、「ちゃんと生きていますよ」
という証拠を必死になって送ってくる。

この件も三井物産の出せる額内に収まり、137日目に、若王子さんは解放された。
そしてこの事件でも、平和ボケした人とそうでない人の明暗が分かれた。

ボケていない人。
外務省の領事移住部長だった妹尾正毅という人。
マスコミの前で、「皆目交渉が進んでおりません、困った」
と無能の人を装い続け、世間に、交渉人の存在を感づかせることすらしなかった見事な人。

平和ボケした人。
事件が解決して、身代金を払ったことや交渉人を使ったこと、交渉人の社名までしゃべってしまった社長。
交渉人は、自分達のロンドンのオフィスが次にテロ組織に狙われる可能性もあるから、移らなくてはいけない。
「もう2度と日本の事件は引き受けないぞ!」

あーあ。

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