フォーカス 11月雇用統計、市場の見方は弱気に 12月12日のFOMCで追加緩和の可能性も

概況


米「財政の崖」を巡る政治家の発言にマーケットが一喜一憂する展開が続いている。11月29日のニューヨーク市場は、「財政の崖」問題について昨日は楽観的な見方を示したベイナー下院議長が「大きな進展はない」と発言するとダウが下落、米長期金利が急低下。ドル円は82円近辺まで押された。しかし、シューマー上院議員が「クリスマスまでには合意可能」と発言するとダウがプラス圏に浮上。ドル円も82円10銭台に戻した。合意に向けた交渉の決着はそう簡単にはつかないと心の底では思っていても、こうした政治家発言が、為替マーケット関係者にとってはメシの種と考えるならば、相場の流れに乗るしか仕方がない。短期的には、クリスマス休暇も控えて、流動性が低下、嫌でも値が荒いシーズンに入る。12月の相場には参加しないと決め込んでいるディーラーがいるとも言われる。

米ISM製造業景況指数

こうした中で、相場の流れをつくるのはやはり米国の景気動向が基本との立ち位置に戻りたい。今週は月で最も注目されるウイークだ。米国では11月の雇用統計やISM製造業景況感指数などが発表される。ハリケーン「サンディ」の影響を受けると実勢をつかみにくくなる。もっとも、ハリケーンのような一時的な特殊要因を外して考えがちだ。ハリケーンの影響が大きいとの理由で、指標は弱くとも例外的などとして、株式相場が反応しないケースがある。しかし、その影響を含めた全体として考えないと景気実体が見えてこないことも考えられる。ハリケーンは一時的、特殊要因でも、それをきっかけに流れが変わる場合もあることは無視できない。

今週の米注目指標に対する、30日段階での市場予想は全般的に弱いように見える。11月雇用統計で焦点の非農業部門雇用者数は10万人以下の増加見通し。ハリケーンの影響のほか、サプライズとなった10月の反動も考えられる。しかし、どんな理由であれ、実際に弱い内容であれば、雇用不安が増すことで、個人消費の減少にもつながりかねない。FRB(米連邦準備制度理事会)が12月12日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で追加緩和に動く可能性が大きいとみられている。

各国の政策金利一覧(11月29日現在)
政策金利名 政策金利 改正日 変更幅
日本 無担保コールレート 0.10% 2008/12/19 -0.20
米国 フェデラルファンソ(FF)金利 0.25% 2008/12/16 -0.75
ユーロ 公開市場操作金利 0.75% 2012/07/05 -0.25
英国 レポ金利 0.50% 2009/0303 -0.50
豪州 キャッシュレート 3.25% 2012/10/02 -0.25
ニュージーランド キャッシュレート 2.50% 2011/03/10 -0.50
カナダ 翌日物金利 1.00% 2010/09/08 +0.25
スイス 銀行間3ヶ月物国内金利 ~0.25% 2011/08/03 -0.25
南アフリカ レポ金利 5.00% 2012/07/19 -0.50
戻る