[フォーカス] 米1月CPI、米1月耐久財受注 マーケットは強い部分のみを取り上げ債券売り、ドル買いに走る

概況


マーケットはその時々の都合の良いものを取り上げて材料にして、自分が考えている方向への合理的な筋道の補強するのが一般的。いわば「良いとこ取り」だ。26日のニューヨーク市場では注目の指標がいくつか出たが、その典型のようなもの。米1月消費者物価指数(CPI)のコア(前月比0.2%、市場予想0.1%)と米1月耐久財受注(前月比2.8%、市場予想1.6%)はいずれも市場予想を上回った。これを材料に米長期金利が上昇、ドルは全面高の展開に。

しかし、詳細を見ると米1月消費者物価の場合、総合CPIはマイナス領域に落ち込んだ。CPIは前年比-0.1%となり、前年比の総合CPIがマイナスになったのは2009年10月以来のこと。総合CPIの落ち込みはエネルギー価格の下落(-9.7%)を受けて事前に予想されていたが、前月比で-0.7%という下落は、食品価格上昇率の急激な鈍化で、予想よりもやや大きな数値。一方、コアCPIは前月比で0.2%の上昇。数字切り上げ前の上昇率は0.178%で0.1%台だった。ホテル宿泊費の急激な上昇(1.3%)が大きく影響したという。コアCPIが予想より高めだったことを注目したとしても、全体が弱かったのは間違いない。

米1月耐久財受注は国防費や輸送用機器などを含めた総合ベースでは前月比2.8%と予想の1.6%を上回ったが、除く輸送用機器ベースでは前月比0.3%(予想0.5% 12月-0.8%)と予想を下回っている。非国防/除航空機ベースでは0.6%(予想0.3% 12月-0.1%)と予想を上回ったが、最近はさえない数値が続いているだけに、1月にその反動もあったとみられるが、米民間設備投資に関係する分野が弱いのは間違いない。しかも総合ベースの12月分も-3.3%から-3.7%に下方修正されており、CPIを含めてこの2つの米指標が強いとは言えない。
 しかし、マーケットは予想より強い部分だけを取り上げて米債券売り(長期金利上昇)、ドル買いに走った格好だ。マーケットにとってもともと、ドル高が最もマッチしたシナリオといえようが、「良いとこ取り」傾向が過ぎるようにも見えるが、今後に注意したい。

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