[フォーカス] 強い米1月雇用統計、他の指標は総じて弱いのに… 続く米労働生産性の低下基調に懸念

概況


米1月雇用統計は文句なしの強さだった。米1月の非農業部門雇用者増加数は25万7000人となり、11月と12月の増加数も14万7000人もの規模で大幅に上方修正(2ヵ月の修正としては2009年以来最大の上方修正)。11月の非農業雇用者増加数は42万3000人(当初発表は35万3000人)、12月は32万9000人(当初発表25万2000人)。時間当たり賃金は12月に0.2%減とマイナスとなったが、1月には0.5%増と、リバウンド。1月の強い増加と修正を合わせて考えると、前年同月比の伸びが(12月の1.7%から)トレンドの2.2%に復帰したことがより重要と指摘されている。数値だけ見た限り、量だけでなく、質の改善も進み始めているともいえる。

こうした1月の強い雇用者増加数と賃金上昇によって、市場はFRBの利上げ開始のタイミングに関する予想を前倒しの方向に修正する動きが広がっている。

しかし、あえて言わせてもらうと、最近の米景気指標で強いのは雇用関連データだけで、他の指標は特に製造業中心に総じて予想を下回っている。米景気は減速しているとの印象だ。ここにやや違和感が残る。このところなぜ雇用だけがどんどん増加しているのか。エコノミストの分析を待つ以外に手はないが、この結果、米労働生産性は低下基調が続いている。

米労働生産性の定義を改めて示すと、投入した労働量に対してどれくらいの生産量が得られたか を表す指標。一定の労働時間あたりの生産量で表す。エコノミストによると、労働生産性の伸びは+0.5~0.6%、過去2 年程度のトレンドでみた労働生産性は+0.9%程度を下回っているという。そうであれば、雇用増は持続的なものなのか、また、賃金上昇は続くのかなど不透明感が残れており、今後の推移を見守る必要がある。

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