[フォーカス] 米FOMC声明、いつまで貫ける強気姿勢  原油安やドル高の影響が表面化

概況


28日に発表された米FOMC声明は、昨年12月の前回声明に比べ若干ハト派的な内容との評価の一方で、相対的にタカ派に見えるとの見方もあり、評価は一定ではない。米債券市場では、折からの米株安もあって、10年国債利回りは20ヵ月ぶりの低水準である1.722%に低下したほか、30年債利回りは2.272%と記録的な水準に低下した。債券市場ではハト派と評価した可能性がある。

米FOMC声明では、適切な政策目標の評価に際して監視する指標に「海外動向」を加えたほか、市場ベースのインフレ調整指標がここ数ヵ月に大きく低下していることを認め、さらに幾分低下しているとしていた前回の文言を修正したことを債券市場では材料視したとされる。しかし、これ以外は、力強い雇用の増加、これまでの「底堅い」という表現からアップグレード下。また、エネルギー価格の最近の下落も引き続いてプラス指向で家計の購買力を大幅に強めていると指摘。「経済活動はしっかりしたぺースで拡大している」との認識を表明し、景気判断を上方修正した。また、ドル高にも言及していない。直近の米景気指標は、製造業を中心に強いとは言えない印象であり、米金融当局の強気姿勢にはちょっと違和感を覚える。

特に原油安に対しては楽観的だ。ほかの国の中央銀行では、原油安の悪影響に対する予防的措置から金緩緩和に踏み切る動きが相次いでいるのに、米金融当局は金利正常化に向けての動きは少しも揺るがないとの印象を残している。この原油安に対する影響に対して米金融当局は「一時的」としているのが特徴だ。一時的であるからには金利正常化を阻害する要因ではないということだろう。むしろエネルギー価格の最近の下落も引き続いて家計の購買力を大幅に強めていると、プラスの材料としてのみ強調しているフシが見られる。

しかし、原油安の影響はすでに米経済にも波及し始めている。原油安でエネルギー企業の設備投資の抑制に動いているとみられ、耐久財受注の大幅な減少として表面化している。他のセクターにも次第に広がる可能性が指摘されている。米金利先高観を背景にしたドル高は、米企業決算の圧迫要因となっている。米金融当局が原油安を「一時的な影響」とし、今後の米景気にプラス効果が強まるとしているのは、既定路線化している米金利正常化に向けた動きに荒波を立てたくないからとの声も上がっている。一時的な影響のみを強調して、米金利正常化優先路線に乗っていると、原油安とドル高いが、気がつけば景気に悪影響を与える存在となっていた、とならないように求めたい。

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