[フォーカス] 米ドル高継続に疑問の声も ミクロ・マクロ両面で変調の兆し 一部で米利上げ後ろ倒しの見通し

概況


ドルの先行きに依然として強気の見方が多い一方で、ドル高継続に対して疑問符が出てきた。主に2点がその理由。一つは企業業績の不調、もう一つは米景気指標の不透明感。ミクロとマクロ両面からドル独歩高が続かないのではないかとのムードがじわじわと出始めている。

27日は、マイクロソフト、キャタピラー、ユナイテッド・テクノロジーなどの決算や決算見通しが軒並みダウンサイド・サプライズとなり、これらのうちの一部企業はドルが大幅に上昇するようだと、今年の企業業績に悪影響を及ぼすと強調。すでに日用品大手のP&Gはドル高が同社の売り上げと利益を圧迫している決算を発表して話題を集めたが、こうした動きが横に広がり始めている。

また、米12月耐久財受注は弱い数字が示された。米12月の耐久財受注は前月比で3.4%減と、市場予想の0.3%増を大幅に下回り、輸送機器を除いたベースでも0.8%の減少(市場予想0.6%増)。コア資本財出荷は-0.2%(市場予想+1.0%)だった。また、11月の数値は下方修正された。これを受け米株式市場の先物価格は下落し、米国債利回りは1.823%に低下。ドルも下落した。米12月新築住宅販売と米1月消費者信頼感指数は予想を上回ったが、米景気指標は製造業を中心に全体として下向きに変化しつつあるようにみえる。

 昨年後半のドル上昇は主に中銀の政策方向の違いが材料にされたが、1月雇用統計で賃金の伸びや耐久財受注の不振は、「他国が緩和に向かう一方で、FRBが利上げを実施できる」という考えに疑問符をつけた格好であると米マーケット関係者は指摘している。

短期的には、米経済の実勢が明確になるまでは、市場がドルを積極的に買い上げる行動を慎む可能性もある。モルガン・スタンレーは27日、FRBの利上げ開始のタイミングについて2016年3月に後ろ倒しの予想を発表した。米利上げまではまだまだ一筋縄ではいかないと思わせる、最近のミクロ・マクロの動向といえる。

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