[フォーカス] ダウンサイド・サプライズの米12月小売売上高不調 伸びない賃金が個人消費マインドに圧迫も

概況


14日発表の失望的な米12月小売売上高に対して、米国では「雇用、所得、消費者センチメントに関する最近の建設的なニュースとは合いいれないものである」との論調が見られた。

主な内容は、ガソリン価格の下落が小売売上高の総合部分に影響することは予想されていたが、実際は、自動車を除く12月の小売売上高は前月比で1.0%減と、市場予想の0.1%減以上の減少に。自動車とガソリンを除いた同月の小売売上高も前月比で-0.3%と、市場予想の+0.5%を大幅に下回ったことは大きなダウンサイド・サプライズとの見方でマーケットでは一致している。もっとも、「トレンドは依然として堅調」と指摘されている。しかし、低調な米小売売上高を受け昨年10月-12月期のGDP成長率予測について、前期比年率でこれまでの3.2%から2.9%に下方修正する動きも見られた。

今回の不振については今後の分析を待ちたいが、中で次のような指摘もある。米国では雇用者数の増加基調や完全失業率の低下基調の中で労働環境の回復が言われているが、労働生産性と実質賃金の趨勢的な伸び率の低下が、個人消費マインドの圧迫になりつつあるというもの。米12月雇用統計では雇用増、求人増は順調に続いているが、賃金の伸び率が予想外のマイナスを記録した。前月比で-0.2%落ち込み、しかもその下落は広範なセクターにわたった。さらには11月の時間当たり賃金も当初発表の前月比+0.4%から+0.2%に下方修正され、期待から失望に変わった。雇用統計の表面的な雇用増・失業率の低下の一方、雇用者にとっては実質部分の賃金不調が悪影響を与えているのか、今後の動向に注意が必要とみられる。
不思議がられている米長期金利の1.8%割れも、米の潜在経済成長率の低下を織り込み始めているとの見方もある。

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