[フォーカス] 1年前の「株先買い・円売り」の急反動再現否定できず

概況


2015年度の消費税再増税の重要な判断材料とされる2014年7-9月期GDP(国内総生産)統計が11月17日に公表される。その結果は、再増税先送り、さらには解散総選挙の決定につながるカギを握っている。GDP伸び率のマーケット予想コンセンサスは前期比年率2.2%。この水準自体は、本来ならそう低いとは言えないが、再増税前であれば、不十分と評価だ。

しかし、思ったほど悪くなかった場合はどうなるのか。株や為替はすでに再増税先送り・解散総選挙を織り込んで「株高・円安」に突っ走っている。やはり増税実施になりそうだとの見通しとなれば、再増税先送りに伴う景気後退の回避というマーケットのシナリオに狂いが生じて、大混乱になるかといえば、そうでもなさそうだ。ここにきての報道を見る限り、政府内では、既に再増税先送りの方針が固まっているようであり、もはや既定路線のように見える。マーケットでは、実質前期比・年率で+4~5%に達するような高成長とならない限り、再増税先送りが決断されるとの見方で一致している。仮に高成長を記録、再増税が決まっても場合、いいとこ取りの株式市場は、日本経済はやはり弱くない―強いことを手掛かりに前向きなスタンスに素早くスイッチすることは必定だ。こうした高成長のシナリオは考えにくいとしても、一般的に想定されるGDPの下では、再増税先送り・解散総選挙が本命と考えるのが一般的とみられる。

しかし、再増税先送り・解散総選挙が決定して、株高・円安の材料が出尽くした場合、マーケットはどうなるのか。実際は、再増税先送りに伴う景気後退の回避はそう簡単でもない。再増税先送りは期間限定、それで個人消費が回復するという単純なものではない。エコノミストは、再増税先送りでも2014年度GDPの押し上げ効果は軽微とみている向きが大半。再増税がある以上、個人は先行きを警戒しながら消費に積極的になることは考えにくい。新しい相場シナリオが構築されれば別だが、今回も、短期筋が株の先物・オプションを使って演出した株高・円安だけに、ちょうど1年前の11-12月にかけて行われた、株先買い・円売りをセットにした相場展開の急反動が翌1月に来たことを思い起こさないわけにはいかない。

戻る