[フォーカス] リスクオンの流れのきっかけを作ったユーロ圏10月PMI速報値 ヘッドラインは上昇も中身はデフレ懸念を強める内容 「産出価格指数」は金融危機以来の低水準に 先行指標の新規受注指数も低下

概況


23日の海外でのリスクオンの流れのきっかけを作ったのは、マークイットが発表するユーロ圏10月PMI(購買担当者指数)速報値。製造業とサービス業の指数を合成した総合PMI(正式にはコンポジットPMI)が、9月の52.0から52.2にわずか0.2ポイントながらリバウンド、市場予想の51.5を上回った。最近の欧州情勢から市場は下ブレ懸念があっただけに、予想外の反転はリスクオン相場を演出する格好のネタとなったわけだ。その後の予想を上回る米企業の好決算も加わって、株や原油などのリスク資産が舞い上がった。一方で、リスクオフ資産の円が売りターゲットにされ、ドル円は108円台までほぼ一方調子に上昇した。

 しかし、ユーロ圏10月PMI速報値のヘッドラインこそ市場予想を上回ったが、その内容は良いものとは言えない。製造業PMIは50.7(9月は50.3)に回復したが、構成項目の新規受注指数はリバウンドを示さず、49.3と弱い水準。さらに懸念されるのがアウトプット・プライス(産出価格指数)で、9月の48.3から47.1に低下した。これで31カ月連続低下し、10月は2010年2月以来の低水準と、デフレ懸念を強める内容だ。総合PMIを踏まえて予想されるユーロ圏10-12月期GDPの前期比伸び率ついてマークイットのチーフエコノミストであるクリス・ウィリアムソン氏は0.2~0.3%としているが、「下振れするリスクがある」とみており、ユーロ圏10月PMI速報値は、先行きを見通すうえでは楽観的な材料というより、懸念される材料が含まれている。マーケットはヘッドラインが重要で、足元に出された数値が強ければそれで良いとの性格を持っているが、今後のためにも内容は必ずしも良くないとの認識が必要だ。

 市場では、総合部分の数値の上昇は、ECBにとって追加緩和に向けては様子見の材料となるが、アウトプット・プライスの弱さは近い将来の景気刺激策を示唆しているとし、年末時点で本格的な量的緩和がすでに実施されている可能性を否定できないと指摘している。

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