[フォーカス] 来週の米FOMC、早期米利上げへの思惑の冷却に動くか 長期金利の本格的上昇、米景気に打撃

概況


来週16-17日の米FOMC(連邦公開市場委員会)に注目が集まっている。17日の会合終了後に当面の金融政策に関する結果発表とFRB総裁の記者会見が行われる。この会合開催を前に外国為替市場では米早期利上げが示唆されることが既定路線でもあるかのように、ドルの先高観が強まって、ドル高・円安が進行、ドル円は107円台に乗っている。

今回の米FOMCの焦点は、フォワード・ガイダンスで謳っている「相当期間ゼロ金利政策を継続する」の相当期間を変更するのではないかとの思惑だ。市場関係者によると、「相当期間」が変更されると、過去のパターンでは半年後に最初の利上げだという。前回のFOMCの記者会見でFRB総裁が雇用改善が進めば利上げも早まるとの発言したことをきっかけに利上げ前倒し観測が独り歩きを始め、いつの間にか米早期利上げが決まりつつあるかの印象を与えている。しかし、外国為替市場では、投機筋がドル高に向けて舞台環境を演出した結果とも言えなくない。前回のFOMCから米経済がさらに強くなった状況でもない。雇用改善トレンドは続いているが、8月雇用統計ではそれが鈍化した。個人消費も慎重だ。米早期利上げ機運が高まっている情勢でもない。

しかし、マーケットの米早期利上げへの前傾姿勢で、米10年国債利回りが2.55%、政策金利の先行きが反映されやすいとされる米2年国債利回りも0.56%台まで上昇し、ドル高の思惑材料とされた。米景気指標の発表がないうえ、米株も上がっていないのに債券利回りが上昇しているのは、いかにも思惑先行で債券売りに向かっている筋がいることを思わせている。しかし、ここで米早期利上げを示唆すれば、これまで抑えられていた米長期金利の本格的な上昇が始まり、回復し始めている住宅投資への意欲を削ぐことは間違いない。今が米利上げ前倒しを示唆する時期とも思えない。「相当期間ゼロ金利政策を継続する」は据え置かれ、マーケットは落ち着くのではないか。

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