[フォーカス] イエレンFRB議長の講演自体は中立的な内容との評価 タカ派的コメント部分のみに焦点を当てた外為市場 米10年国債利回りは上昇後に戻す 今後も米景気指標がキー

概況


ジャクソンホールの経済シンポジウムでのイエレンFRB議長の講演内容は、例えば、「蓄積された賃金デフレは景気回復途上における賃金上昇を先延ばしにする可能性があり、物価上昇圧力を待つ姿勢は不適切な形で利上げを遅らせることになりかねない」と発言。また、「労働力参加率の上昇が期待できるのであれば、インフレが2%に達した後であっても、金融緩和策を維持してもかまわない」との見解を示した。極めて慎重で、多くのシナリオを背景としたスピーチだったと指摘されている。一方で、「目標への進展が早ければ利上げが早まる公算」と述べるなど、その意味でバランスが取れた内容だった。しかし、ドル高材料を探していた外国為替市場では、ここぞとばかりにイエレン議長のタカ派的コメント部分に焦点を当てたため、米長期金利の上昇ととともにドルが全面高。ドル円は104円を突破した。イエレンFRB議長の講演自体は中立的な内容と評価されているが、思ったほどハト派色の薄い内容がマーケットにドル買いを促した。もっとも、もともと現在の米経済情勢から予想以上のハト派の余地がなかったのもマーケットはわかっていたともいえる。
 結局、長めの債券か買い直され、米10年国債利回りは上昇した後2.402%といってこいの展開。ただし、中短期債は軟調なままで、2年国債利回りが0.492%に上昇、早期利上げへの思惑が残った。米利上げ時期は、米景気指標次第には変わりない。イエレンFRB議長の講演内容は早期利上げを示唆するものではない。ドル円は104円を超えたことで年初来高値を目指す方向にシフトした可能性はあるが、外国為替市場では、どこまで思惑先行で引っ張られるか。これも景気指標がキーとなろう。

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