[フォーカス] 米市場混乱なのに日本は株、債券が都合の良い解釈

概況


日本の株、債券マーケットが材料を都合の良いように解釈を始めている。この行き着く先は…。

発信地はやはりニューヨーク市場。注目されていなかった米4-6月期雇用コスト指数が前期比で0.7%の上昇を示し、2008年第3四半期以来の大幅上昇に。これが早期米利上げへの思惑を増幅させる一因に。早期米利上げへの思惑は米長期金利(10年国債利回り)を2.6%台に押し上げ(債券安)、折からの7月シカゴ購買部協会景気指数が市場予想を大幅に下回る52.6を示したことも刺激したか、ニューヨークダウは前日比300ドルを超える大幅安に、しかし、この米株安進行が今度は米長期金利の上昇を抑える形で2.54%と前日比横ばいのレベルまで買い直された。外国為替市場では、ドル円が103円ワンタッチまでの上昇から米株安・米長期金利の低下を背景に102円70銭台まで押し戻された。

しかし、これだけの米株安ならリスクオフの流れが高まり、米長期金利は低下傾向を強め、円高圧力が高まるのがこれまでのパターン。それが米長期金利が横ばいどまり、ドル円はレンジ相場継続となっているのは、底流に早期米利上げへの思惑があるためと、1日発表の米7月雇用統計の結果次第ではどうにでも変わる可能性が秘めているためと予想され、投資スタンスとしてはどちらへの対応ができるように、半身の構えで待つ準備ともとらえられる。

 ところが日本のマーケットはどうか。株式市場は、円高に振れないことを材料に日経平均は小幅な下げ、債券市場は、米株急落を背景に米債券が買い直され落ち着いたことを手掛かりに買いが優勢の展開。両者は矛盾している。早期米利上げへの思惑がある限り、ドル安・円高にはならないにしても米株の不透明感が続く。米株が本格調整となれば、早期米利上げへの思惑が緩和され、円高へのきっかけになりかねない。このサイクルがあることは念頭に置きたい。

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