[フォーカス] ポルトガルの銀行債務問題、個別銀行特有ながら投資家センチメントに悪影響、ポルトガル10年国債は心理的に重要な4%に接近、周辺国債にも波及

概況


10日のリスク・オフ(リスク回避)マーケットの事の発端となったポルトガルのエスピリト・サント銀行の債務問題。健全性への懸念が強まった。欧州債務問題は解決済みのように取り扱われていたが、必ずしもそうではないことが改めて認識された。これにより、イタリア国債やスペイン国債など、ドイツ国債以外のいわゆる欧州周辺国債が売られた。今回の問題は個別銀行特有で、ポルトガルの銀行システムやソブリン債への影響は限定的と市場関係者は捉えているが、投資家センチメントに影響を与えたとみられる。規制当局がどのように対応するのかについて懸念が増大しているという。
前日9日も、エスピリト・サント銀行の社債が急落し、過去最安値を更新。親会社による一部短期債務の返済延期が理由で、株価も下げている。欧州周辺国債市場ではここにきて、同銀行の短期債務返済延期の問題が解決しておらず、相場は大幅な下方圧力を受けている。ファンドマネージャーは夏季休暇を前にしてロング・ポジション縮小の動きを強めたことも売りにつながった模様。10日の欧州債券市場では、ポルトガル国債の10年債利回りは3.985%まで売られ、心理的に重要な水準である4%に接近。イタリアやスペイン、ギリシャ国債も売られ、利回りが上昇。ドイツ国債利回りとのスプレッドが拡大した。この日がスペイン国債とギリシャ国債の入札が実施されたのに続き、11日にはイタリア国債の入札が予定されている。需給面からも圧迫要因になりかねない。長期化する問題ではないとの見方が多いものの、当面はマーケットの不安定要因になる可能性が指摘されている。

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