[フォーカス] 米金利先高観強まらず 時間当たり賃金の穏当な伸びが当局の早期利上げ回避努力の手掛り材料に

概況


今回の米6月雇用統計は、市場予想よりも強めの結果で、米株高・債券安・ドル高の展開を促した。注目されるのは米長期金利の動き。雇用統計の上振れを嫌気して米10年国債利回りが一時2.68%まで上昇したが、その後2.64%まで買い直された。米金利先高観が強まる情勢とはならなかった。

今回の雇用統計では、民間部門の週平均労働時間は34.5時間(前月比横ばい)。うち製造業は41.1時間(同横ばい)。物価動向との絡みで注目度が高い民間部門の時間当たり賃金は24.45ドルで、前月比+0.2%(+0.06ドル)、前年同月比+2.0%。米インフレ加速の兆候は見られない。

こうした時間当たり賃金の伸びが穏当であることが、イエレン議長率いるFRB指導部にとって、時期尚早の利上げをできるだけ回避しようとする努力を今後も続けるための有力な手がかり材料になっている、と市場関係者は指摘している。雇用回復ながら低成長ともあって、米利上げ時期について今回の雇用統計を手がかりに予想を前倒しするのはまだ難しいとみられる。そうであれば、米長期金利の上昇に限界があり、本格的なドル買いにつながりにくい環境が続く可能性ある。(T)

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