フォーカス 米財政緊縮策、ボディーブローのように 趨勢的な景気の強さ確認が必要

概況


マーケットの投資マインドはいったん足元で熱くなると、強気一辺倒、楽観一辺倒に陥りやすく、それがずっと継続するような誤解も生じてしまう。本当にそうなのかは、常に一歩引いて考えてみることは大切だ。

その一つが米「財政の崖」問題。取りあえず回避されたことで、それまでの重荷から解き離れたように直後の米株式市場ではニューヨーク・ダウ平均株価は300ドル以上の急騰を演じたが、翌日には冷静さも取り戻した。米「財政の崖」回避とはいえ、米国は積極財政に動くわけではなく、明確な財政緊縮策に踏み出したことを忘れてはならない。「崖」が「坂」に変わったにすぎず、それでも大きいと評価する向きはあろうが、喜んでいる場合ではないだろう。2カ月間先送りされた歳出強制削減問題がどう決着するかも五里霧中だ。年収45万ドル超の富裕層向け増税と引き換えに、低中所得層の柱となっていた給与税減税が廃止されたことは、米景気にとって無視できないマイナス要因といえ、ボディーブローのように効いていく可能性がある。

日本時間4日午前4時に12月の米FOMC(連邦公開市場委員会)議事録が公表され「数人のメンバーは2013年末より前の時点でのQE(量的緩和)の縮小もしくは停止を考慮した」ことが明らかに。米10年債利回りは1.9%台に急上昇。これを受けて米株式相場が下落、外国為替市場ではドルが全面高の展開。これも待てよだ。タカ派的な考え方が正しいかは、現段階では分からない。これまで米金融緩和局面でも、追加緩和はもうこれ以上必要ではないとの意見をよそに、結局、ここまで緩和が強化されてきた。米景気がぜい弱だったことによる。

過去3年間のように米景気が定期的に強さと、弱さを繰り返すのでなく、趨勢的な強さを維持できるかを確認するまで冷静さが必要だろう。米景気指標のトレンドを丹念に追っていくことが、景気の先行きを読む手掛かりとなろう。

IMM通貨先物(円ポジション、ユーロポジション)

CFTC(米商品先物取引委員会)のIMM通貨先物の建玉報告(12月24日までの週、投機筋)によると、円の売り越しは前週の8万9163枚から8万5608枚に2週連続の縮小。次回は拡大か。

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