フォーカス ムードに煽られる円先安観  欧州にもリスクはくすぶる

概況


外国為替市場では円安が止まらない。ここまでくると円売り材料など二の次と言ったムードも生まれ、ドル円、クロス円ともに緩やかながら上昇傾向が続いている。しかし、気をつけなければならないのは、現在の円売り相場を仕掛けた海外短期筋なるものが、いったんはどこで降りようとするかだろう。いや、もう降りているかもしれないが…。利に乗ったら手じまいに動くきっかけを待っているはずだ。専門家はその可能性を警告している。ドル円では既に5%程度の利益を上げているだけに、要注意の局面と、慎重なスタンスで臨みたい。

確かにシーズンもシーズンだ。米感謝祭を控えた22日の東京外国為替市場では、午前9時前にドル円は82円58銭近辺と直近高値更新。ユーロ円は106円25銭近辺、ポンド円は131円86銭近辺、豪ドル円は85円73銭近辺まで上昇、いずれも直近の高値を上回った。しかし、その後は下落に転じている。日米ともに連休に入る。調整の一日としては当然だろう。

さらに米国の場合、これからクリスマス休暇へとつながるシーズンとなる。外国為替市場は流動性がぐっと低下、値が飛びやすくなる。長年、外為ディーラーとして活躍してきた人の中には、できれば、取引をやりたくないシーズンと語る向きも少なくない。

安倍発言に煽(あお)られて、外国為替相場を見る上で基本中の基本である景気指標と、最近の世界景気の動静に目を配ることがおろそかになりがちだ。スペイン中銀のリンデ総裁が21日、同国経済は回復の兆しがなく、2012年と2013年の財政赤字削減目標が未達成になるリスクに直面していると指摘した。また、出遅れとはいえ、円安に煽られて日本株のみが上げ続ける不安を感じざるを得ない。長期円安を示唆するものはまだない。

各国の政策金利一覧(11月22日現在)
政策金利名 政策金利 改正日 変更幅
日本 無担保コールレート 0.10% 2008/12/19 -0.20
米国 フェデラルファンソ(FF)金利 0.25% 2008/12/16 -0.75
ユーロ 公開市場操作金利 0.75% 2012/07/05 -0.25
英国 レポ金利 0.50% 2009/0303 -0.50
豪州 キャッシュレート 3.25% 2012/10/02 -0.25
ニュージーランド キャッシュレート 2.50% 2011/03/10 -0.50
カナダ 翌日物金利 1.00% 2010/09/08 +0.25
スイス 銀行間3ヶ月物国内金利 ~0.25% 2011/08/03 -0.25
南アフリカ レポ金利 5.00% 2012/07/19 -0.50
戻る