[フォーカス] いいとこ取り消えた米市場 予想上回る指標への反応が限定的 景気回復の強さを疑問視

概況


米市場ではこのところ、得意のいいとこ取りの動きがほとんどみられない。株も為替も同様だ。逆に弱い指標には強く反応して債券買いの動きが強まり、回復傾向といわれる米景気の中にあって、なぜ米長期金利は低下傾向にあるのかと疑問の声が少なくない。足元でより弱い指標に強く反応するのは、市場が弱気に傾いていることを示すものといえるが、この背景には、米景気や世界景気が思ったほど強くならないのではないかとの予想があると指摘する向きもある。

 16日発表の米4月住宅着工件数は107.2万件(予想98.0万件) と予想を大きく上回る強さを久しぶりに見せた。ドル円は101円66銭近辺まで上昇したが、上げは続かずいってこいに。5月ミシガン大消費者信頼感指数が予想を下回ったこともあるが、米4月住宅着工件数を受け上昇した後まもなく失速していた。最近はこうしたケースがみられる。予想を上回る景気指標に限定的な反応だ。米4月住宅着工件数の中身を見ると回復を主導したのは集合住宅で、一戸建ての回復は遅れている。景気回復の弱さを反映しているとの見方もある。こうした点も含め、米指標が回復を見せても天候要因が消えたからそれは当然であり、予想を大きく超える数値の発表が継続しないと、期待していたような景気回復とはいえないとの認識にマーケットが変わりつつあることが、強気ムードにならない背景にあるとの指摘もある。

 また、より長期的には金融危機を経て米景気は景気回復をたどっているといわれるが、ここにきて低成長・低インフレの見通しが示されるように強い米経済に戻るのはまだ相当な時間が必要との見方もあるもようだ。米が利上げまで到達するまではまだ遠く、長期金利が上昇に向う時期が今ではないとの声もある。

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